Vistaとの決別 〜 Ubuntu 7.10 導入

結局、Vista上のNTEmacsの動きが納得行かなかったり(Wanderlustとかmigemoとか)、CygwinzshがTabで補完をしようとすると5回に1回ぐらいの頻度で落ちたり、antやconfigureやmakeがいつの間にか途中で落ちて固まっているのを後で発見したり、その他もろもろのVistaの障害で仕事や思考が中断され続けるのに、とうとう我慢の限界を越えた。多分、直接的に印象が悪かったのは Vista ではなくて、CygwinVista上で動くEmacs達なのかもしれないけれど、他にもいくつか動かないプログラムもあったし、「実は互換性が多少ある違うOSなんだよ」と言われるぐらいなら始めから違うOSにしてやれと、Ubuntuを入れることに決めた。メインマシンを完全にLinuxにするのは8年ぶりぐらい。

インストール

インストール自体は前評判どおり、何のトラブルもなくすんなり終了。単純にインストール用CD-ROMを作ってブートさせて、あとは指示通りに進めるだけ。起動後、ほぼ全てのデバイスが認識されて大体動いているところに衝撃を受けた。最初からついているOSじゃないとデバイスの認識が出来ないという心配は無くて、むしろ素のWindowsより素晴らしいという感じ。

バイス関係

画面、見た目関係

  • GM965:最初はVESAだったが、アップデートしたらintelドライバになっていた。Google Earthも普通に動く。
  • Dual headVistaより便利になった。
    • http://www.intellinuxgraphics.org/dualhead.html ここを参考にxorg.confを書き換えて、xrandrを以下のように打つとあっさり実現できた。プロジェクターへの投影もコマンドでできる。素敵!
    • xrandr --output LVDS --left-of VGA --mode 1024x768 (X61に左側)
    • xrandr --output VGA --mode 1600x1200 (DELLの20インチに右側)
    • xrandr --output VGA --off (外付けを終了)
  • compizでの視覚設定やウインド管理機能:かなり便利。
    • sudo vi /etc/xdg/compiz/compiz-manager で SKIP_CHECKS=yes を追加。
    • 外観の設定からcustomを選べるようになる。MacのExpose風機能やダッシュボード風機能が手に入って幸せ。
    • ただし、Dual headの背景がちょっとおかしかったり、動画が再生できないなどの問題がある。仕方がなさそう。

無線LAN

  • 無線LAN:アップデート後、普通にアクセスポイントにつながるようになった。
    • ただし、ESSIDを隠しているようなアクセスポイントの場合は、sudo iwconfig wlan0 essid (ESSID名) と手動で設定した上で、nm-appletで接続ボタンを押さないとアクセスポイントが見つけきれないみたい。
    • wlan0, wmaster0のデバイスが重複しているのがよくわからないが、動いているから困らない。
    • とりあえず、Lenovoの接続ツールより優秀(接続確立が速い、制御しやすい)なのでうれしい。

日本語フォント関係

日本語入力、SCIM

アプリケーション

  • Adobe Flash: http://www.adobe.com/support/flashplayer/downloads.html から9をダウンロード。〜.so を .mozilla/plugins/ に入れる。
  • subversionGUIクライアント:nautilussvn, subcommanderを導入して亀の代わり。
    • まあまあいい感じ。nautilussvnはsubversion管理フォルダを触るとちょっと動きがもたつくかも。
  • AACファイルの再生:Rhythmboxでいきなり再生できる。
  • Skype, Firefoxの個人設定:Windowsのものがそのまま使える。
    • Windowsのプロファイルディレクトリをそのままコピーしただけ。Skypeの過去のチャット履歴も含めて移行完了。いい時代になったなぁと実感。
    • これでiTuneがLinuxに対応してくれれば完璧なんだけど。

emacs方面

  • アンチエイリアスは文字位置がずれるようなので即諦める。Emacsは速度命の主義だと強がってみる。
  • wl, howm, xfaces, mailcrypt, cedet, yatex, lookup はsynapticでいれる
  • cmigemoはコンパイル, migemo から migemo.el をコピーして @pkgdirectory@ を書き換え。
  • 漢字はanthy.elを使うように修正→.emacs
  • 日本語ファイル名をUTF-8で読み書きするように設定 (setq file-name-coding-system 'utf-8)
  • 工夫しなくても普通に emacsclient が動くのが素敵。

VMWare

  • WindowsXPのインストール:製品版のXPProSP2のメディアを使って、X31のライセンスを入れるとNG。もちろん、X31リカバリーCDは使えない。
  • ということで、昔買ったXPHomeを入れていたVMを引っ張り出す。
  • Cドライブが4.8Gbyteしかないため拡張を行う。
    • vmware-vdiskmanagerで2G splitを一つにつなげて、デフラグして、30Gbまで拡大。
    • その後、GPartedのLiveCDを使ってCDからブートさせて最大容量まで拡大。
    • GPartedの日本語がおかしかったが、特に問題なく終了。そのまま起動可能。

パフォーマンス

起動直後、top や System Monitor で観察すると 300Mbyte〜400Mbyteぐらい。かなり大量にアプリを立ち上げているつもりではあるが、メモリの消費量も少なく、起動時間も短い。むしろ、メモリを使いきれなくてVMWareに大量に割り当てている。

アプリケーションの動作も速い。よく使うEmacsFirefoxの起動も速い。画面の描画ももたつくことはまったく無く、シェルの動きもCygwinの時とはくらべものにならないくらい速い。さすが本物。

Ubuntuは何でも動く代わりに遅いというイメージがあったが、全くそんなことは無かった。また自分で調整も出来るので、Vistaから避難してきた自分にとっては天国のような世界。

その後のカスタマイズなど

現在も細かいカスタマイズは進めているが、不便だと思ったところにいくらでも対策を行うことが出来るのでとても気持ちよい。WindowManagerの各種操作をキー操作で出来るようにいくらでもカスタマイズできるし、現在は GNOME Do とかでますますマウスが要らない生活になった。

こんなに楽にインストールできて、普通に安定して動くなんていい時代になったものだと感じると同時に、Ubuntuの開発者の皆様に大変感謝。今月末にリリースされる 8.04 も楽しみ。

もう Vista というか、Windowsに戻ることは考えられない。とか書いているうちに、とうとうこういう記事 : Vistaに見切りをつけたMS、「Windows 7」登場は来年か − @IT も出てきた。現場は一番分かっているのだと思うのだけども、性能・品質よりもタイミングを優先してしまう気持ちも分からなくはなくなってきた自分がすこし悲しい。