Vistaとの決別 〜 Ubuntu 7.10 導入
結局、Vista上のNTEmacsの動きが納得行かなかったり(Wanderlustとかmigemoとか)、CygwinのzshがTabで補完をしようとすると5回に1回ぐらいの頻度で落ちたり、antやconfigureやmakeがいつの間にか途中で落ちて固まっているのを後で発見したり、その他もろもろのVistaの障害で仕事や思考が中断され続けるのに、とうとう我慢の限界を越えた。多分、直接的に印象が悪かったのは Vista ではなくて、CygwinやVista上で動くEmacs達なのかもしれないけれど、他にもいくつか動かないプログラムもあったし、「実は互換性が多少ある違うOSなんだよ」と言われるぐらいなら始めから違うOSにしてやれと、Ubuntuを入れることに決めた。メインマシンを完全にLinuxにするのは8年ぶりぐらい。
インストール
インストール自体は前評判どおり、何のトラブルもなくすんなり終了。単純にインストール用CD-ROMを作ってブートさせて、あとは指示通りに進めるだけ。起動後、ほぼ全てのデバイスが認識されて大体動いているところに衝撃を受けた。最初からついているOSじゃないとデバイスの認識が出来ないという心配は無くて、むしろ素のWindowsより素晴らしいという感じ。
デバイス関係
- Bluetooth:始めからデバイス自体は動いている。何の設定もなしに周辺の携帯やマウスを探知可能なのに驚いた。
- Bluetoothで携帯ダイアルアップ:/usr/doc/share/bluez〜などを参考に設定
- Bluetoothのランプがつかなくなって使えない:有効・無効の切替がある。
- echo enable > /proc/acpi/ibm/bluetooth とする。(参考: http://joh.deworks.net/blog/?page_id=46 )
- トラックポイントでスクロール: http://d.hatena.ne.jp/takkaw/20080218/p1 を参考に xorg.conf を書き換える。すんなり動いた。
- サスペンド問題:結局デフォルトのまま。とりあえず暗くなる以外は問題なし。
- インストール直後から、サスペンドボタンを押すとサスペンドはしていたのだが、復帰時に画面が暗くなったまま。Ctrl+Alt+F1とかでコンソールにしてXにもどると明るくなるのだけども面倒。
- http://ubuntuforums.org/showthread.php?t=678037 を参考に、grubの設定で、sudo vi /boot/grub/menu.lst で acpi_sleep=s3_bios を追加して、 sudo update-grub 、リブート。暗い画面は解決したが、サスペンドに失敗するようになった。s2ram?
- /etc/default/acpi-support: DOUBLE_CONSOLE_SWITCH=true しても駄目。
- プリンターの設定:Linuxからあまり印刷しないので細かいところは気にしない。
画面、見た目関係
- GM965:最初はVESAだったが、アップデートしたらintelドライバになっていた。Google Earthも普通に動く。
- Dual head:Vistaより便利になった。
- compizでの視覚設定やウインド管理機能:かなり便利。
日本語フォント関係
- M+フォント:きれいで素敵。
- http://mix-mplus-ipa.sourceforge.jp/ ここからフォントを入れて、 sudo fc-cache -f -v で終わり。
- Firefox、GNOME Controle Center や Qtの設定でフォントを指定すると、ほぼ全てのフォントがきれいになった。Emacsもきれいにしたいかも。
- メイリオとかも素敵。
- javaでの文字化け:日本語が□になったりする問題
- http://d.hatena.ne.jp/bend_tail/20061128/1164706715 を参考に、javaのfontsディレクトリにフォントをコピーする。とりあえず解決。
日本語入力、SCIM
- java、skype(2.0.0.68)での日本語入力:SCIMで日本語が入力出来ない。
- export XMODIFIERS=@im=SCIM して、 scim-bridge を起動すると大丈夫らしいが、動かない。
- →scim-bridgeがうまく動いていない? 0.4.12-1 ではなくて、 0.4.15 とか、もう少し最新のバージョンが必要そう。
- パッケージで入れたscim-bridgeは一度消して、scim-bridge-0.4.15.tar.gz を取ってきて、必要そうなライブラリ、ツールをsynapticでインストール。 configure --prefix=/usr/local/scim-bridge して make, make install。 /usr/local/scim-bridge/bin/scim-bridge -v して起動。skypeもjavaも日本語入力できることを確認。
- ただし、javaはキー入力が一切できなくなるような障害が発生。いろいろ調べて、 http://www.nabble.com/NetBeans-%E3%82%92-SCIM-Anthy-%E3%81%A7%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%99%82%E3%81%AE%E4%B8%8D%E5%85%B7%E5%90%88%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-tt14521872.html を参考に、scimのソースを修正してビルド。x11.soを差し替え。→とりあえずキー入力が出来なくなる現象は滅多に起きなくなった。
- export XMODIFIERS=@im=SCIM して、 scim-bridge を起動すると大丈夫らしいが、動かない。
アプリケーション
- Adobe Flash: http://www.adobe.com/support/flashplayer/downloads.html から9をダウンロード。〜.so を .mozilla/plugins/ に入れる。
- subversionのGUIクライアント:nautilussvn, subcommanderを導入して亀の代わり。
- まあまあいい感じ。nautilussvnはsubversion管理フォルダを触るとちょっと動きがもたつくかも。
- AACファイルの再生:Rhythmboxでいきなり再生できる。
- Skype, Firefoxの個人設定:Windowsのものがそのまま使える。
emacs方面
- アンチエイリアスは文字位置がずれるようなので即諦める。Emacsは速度命の主義だと強がってみる。
- wl, howm, xfaces, mailcrypt, cedet, yatex, lookup はsynapticでいれる
- cmigemoはコンパイル, migemo から migemo.el をコピーして @pkgdirectory@ を書き換え。
- 漢字はanthy.elを使うように修正→.emacs
- 日本語ファイル名をUTF-8で読み書きするように設定 (setq file-name-coding-system 'utf-8)
- 工夫しなくても普通に emacsclient が動くのが素敵。
VMWare
- Consoleアプリの立ち上げがおかしい。
パフォーマンス
起動直後、top や System Monitor で観察すると 300Mbyte〜400Mbyteぐらい。かなり大量にアプリを立ち上げているつもりではあるが、メモリの消費量も少なく、起動時間も短い。むしろ、メモリを使いきれなくてVMWareに大量に割り当てている。
アプリケーションの動作も速い。よく使うEmacs、Firefoxの起動も速い。画面の描画ももたつくことはまったく無く、シェルの動きもCygwinの時とはくらべものにならないくらい速い。さすが本物。
Ubuntuは何でも動く代わりに遅いというイメージがあったが、全くそんなことは無かった。また自分で調整も出来るので、Vistaから避難してきた自分にとっては天国のような世界。
その後のカスタマイズなど
現在も細かいカスタマイズは進めているが、不便だと思ったところにいくらでも対策を行うことが出来るのでとても気持ちよい。WindowManagerの各種操作をキー操作で出来るようにいくらでもカスタマイズできるし、現在は GNOME Do とかでますますマウスが要らない生活になった。
こんなに楽にインストールできて、普通に安定して動くなんていい時代になったものだと感じると同時に、Ubuntuの開発者の皆様に大変感謝。今月末にリリースされる 8.04 も楽しみ。
もう Vista というか、Windowsに戻ることは考えられない。とか書いているうちに、とうとうこういう記事 : Vistaに見切りをつけたMS、「Windows 7」登場は来年か − @IT も出てきた。現場は一番分かっているのだと思うのだけども、性能・品質よりもタイミングを優先してしまう気持ちも分からなくはなくなってきた自分がすこし悲しい。